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福短図書館 今月の一冊は?(平成26年4月)【図書館、学事部】

ランドセル俳人の五・七・五.jpg福短図書館今月の一冊は?(平成26年4月)
担当:学事課 松倉 基晴

書名:『ランドセル俳人の五・七・五』


著者 小林 凜
発行 ブックマン社
2013年4月発行

 

<はじめに>
 福短図書館 今月の一冊は、富山福祉短期大学 学事部 松倉 基晴 学事課長 からご紹介いただいた図書です。11歳の不登校の少年 凜君。俳句との出会いが彼を大きく変えました。どうぞ、ご覧下さい。

 

 

【みどころ】(下記は松倉課長の紹介文です)

 

 ときどき夜中に目が覚めてしまい、その後なかなか寝付けないような時には、枕元のラジオのスイッチを入れる。学生のみなさんには、あまり馴染がないかもしれないが、番組は、NHK「ラジオ深夜便」と大体決まっている。自分は、特に、「明日へのことば」という対談番組が気に入っている。3月31日(月)深夜のオンエアでは、たまたま昨年12月に聞いた番組のアンコール再放送だった。タイトルは「俳句に救われた息子と私」。大阪府岸和田市在住の「ランドセル俳人・小林凛」君の母親の西村史さんと番組スタッフの対談である。

 

 番組では、「ランドセル俳人・小林凛」君の生い立ち(944gで出生)や通っていた小学校での生徒による壮絶ないじめ、その小学校長・教員らの理不尽な対応等が母親の史(ふみ)さんから生々しく語られる(本書に詳細記載あり)。「ランドセル俳人・小林凛」君は、ふとしたことから俳句をつくるようになり、それが毎週約5千通の投稿がある「朝日俳壇」(朝日新聞)で入選(2010年・小3時)、その後も入選を繰り返しているという。

 世界最短の定型詩・俳句といえば、皆さんは何を思い浮かばれるだろうか?


 ・古池や蛙飛びこむ水の音 (ふるいけや かはづとびこむ みずのおと)

    松尾 芭蕉(まつお ばしょう) 1644 - 1694  
 ・めでたさも中位(ちゆうくらゐ)なりおらが春 小林 一茶(こばやし いっさ) 1763- 1828


 松尾芭蕉や小林一茶の俳句(俳諧)については、中学や高校の教科書で習った人も多いだろう。現代俳句においては、「俳句という最短詩型のはらむ可能性が、さまざまな立場や切り口からさぐられている」(wikipedia)そうだが、「ランドセル俳人・小林凛」君の場合は、5・7・5という定型を踏まえつつも、時にはブーメランやブランコといったカタカナ語も交える「現代俳句」。どの作品に共感をおぼえるかは、読み手によって様々だろうが、この「ランドセル俳人・小林凛」君の感性と想像力の豊かさには、だれもが驚嘆することだろう。やはり、なにか天性の「何か」を持ち合わせているに違いない。

 

・紅葉で 神が染めたる 天地かな (p-7、p-55) 9歳

・万華鏡 小部屋に上がる 花火かな (p-33) 10歳

・かき氷 含めば青き 海となる (p-32) 11歳

 

 最初の二句は朝日歌壇入選作。前者は、繰り広げられる情景のスケールの壮大さが素晴らしい。後者は、子ども部屋の中に展開される小宇宙の広がりが小気味よい。三句目は、入選こそしてはいないが、作者の子供らしい着想と子供らしからぬ想像力(の広がり)のコントラストの妙がここちよく爽快だ。"青いシロップのかき氷を食べていました。口に含むと溶けていく感触で青い海原を思い浮かべました。(p-32作者メモ)" 俳句を鑑賞するときは、声に出して2回読むことで、その俳句の味わいをかみしめる。そうする中で、短い言葉に込められた作者の思いや言葉が紡(つむ)ぎだす情景をより深く味わうこともできる。俳句に触れる時、言葉のもつ「ちから」を感じることができる秘密は、まさに、その言葉の短さにあるのかもしれない。

 

 普段、俳句にはとんと(・・・)縁のない自分だが、ラジオで耳にした番組をきっかけに、あらためて言葉のもつ「ちから」に触れることができたような気がした。日々ネット社会が進化する中、デジタル・ネイティブ(ネット環境で育った世代)も増え、手軽で効率のよいコミュニケーション手段は有効活用したいものだが、時には少し立ち止まって言葉の「ちから」をじっくりと感じることのできる、スローな時間も大切にしたいという方・・・ぜひ、ご一読をお薦めします。


学事部学事課 松倉基晴

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