看護学科3年『看護研究Ⅱ 発表会』についてご紹介します。
■科目:看護研究Ⅱ 発表会
■授業科目の学習教育目標の概要:
看護実践の場での看護展開や学びの実践活動事例をまとめ、学内で事例研究として報告する。まとめる過程で、看護実践と理論との比較や検討を行い実践における理論の活用について学ぶ。また、看護実践を言葉にして他者に伝えることを体験し、その必要性について学ぶ。
■日時:平成24年4月24日~25日
2年次の2月~3月にかけて行った領域別実習を受けて、各グループで研究発表を行いました。
学生たちは、各領域で更に1~5名のグループに分かれ、研究テーマを設定しました。
第1群:成人看護学実習Ⅰ
・橈骨遠位端骨折による術後の患者とのかかわりを振り返る
‐退院に向けての生活指導について考える‐
・高齢患者の術後合併症予防への支援の有効性を検討する
・乳がん術後患者の患側上肢のリンパ浮腫の予防とリハビリへのアプローチ
‐リハビリの自己管理のためのリハビリチェック表を作成して‐
・腰部脊柱管狭窄症による手術を受けた患者の利用への介入
‐術後貧血を起こした患者とのかかわり‐
・高齢者の退院支援のあり方について考える
第2群:精神看護学実習
・入退院を繰り返す統合失調症のA氏の服薬自己中断の要因を探る
‐服薬アドヒアランス向上を目指した支援方法の一考察‐
・慢性統合失調症患者のセルフケア能力と生育歴の関連
‐意欲を引き出すための支援方法‐
・無為・自閉傾向のある3事例の患者の生活史を振り返り関わり方の考察
・意欲を回復した統合失調症患者の社会復帰促進に向けた退院支援
-開放病棟の看護師の役割-
・精神に障がいをもつ患者との関わりを通して看護学生の感情の変化についての考察
‐患者との距離感を学ぶ‐
・入浴を拒む強迫性症状のある患者の生活技能訓練(Social Skill Training;SST)を活用した関わり方の検討
第3群:成人看護学実習Ⅱ
入退院を繰り返すイレウス患者の不安に対する傾聴からの援助
保清を制限された患者へのストレスへの援助
‐足浴を用いてのストレス軽減‐
人工股関節置換術後疼痛の強い患者への離床への支援
‐パンフレットを用いて‐
転倒リスクの認識が不十分な患者の転倒防止への支援
第4群:母性看護学実習
受け持ち母子の愛着形成が育まれるプロセスと、その要因についての検討
受け持ち事例から考える産後うつに対する予防的介入の必要性
ウエルネスの視点での父性の芽生えと父親役割の獲得
母子看護の場面において看護者が作り出している優しさと優しさの意味
12事例の保健指導場面からみた母子健康手帳の役割
学生たちは、各グループの発表を真剣に聴き、活発に質疑も行いました。自分たちが経験した実習での出来事と共鳴したところが多くあったようです。
実習先で患者に傾聴することの大切さを実感し、そこで発見した問題を院内で共有することで、問題解決を行ったことなどが発表されました。
よく観察し、傾聴し、患者さんが笑顔になれるようにツールを制作する、段階的に目標を設定する、肯定的な声かけをする、患者さん本人の生きがいを取り入れた援助をする、などさまざまな「気づき」から、「工夫」をおこなっていました。
例えば、患者さんがなぜ転倒のリスクをおかしているのかを考え、理由を発見し、それを解決するためにベッドをローベッドに変更し、患者さんが過ごしやすく治療に専念できる環境を作ったチームがありました。学生にしか見えない視点で、環境を改善できた良い例です。

発表については、質疑応答後に先生方からの講評がありました。
傾聴は、一番大切なコミュニケーションスキルだが、とても難しいことも事実。それでも患者主体の看護計画を立てられる看護師に成長してほしい。自分の関わりやその意義を実習を通して経験していってほしい、などとお言葉をいただきました。
学生自身も先生方も、成長を感じた研究発表だったようです。
実習では、学生にしか気づくことができないことが、院内で情報共有され、問題の解決にまで結びつくことがあります。学生が持つ力を実感できた実習だったようです。
今後の実習・研究発表に向けて、更に頑張ってくれることでしょう。