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学長ブログ25 どんな自己物語を生きているのか

▼「学長ブログ7『本当の自分』づくり」で、榎本博明氏の著書『社会人のための「本当の自分づくり」』を紹介しました。この本は、本学で開講している「つくりかえ問題解決技法」の課題図書に指定しましたので、学生全員が手元に用意する必要があります。ところが4月には書店でもネット販売でも購入できたのですが、現在では「品切れ」となってしまって、手に入れられなくなってしまったという相談がありました。「困ったな」と思いつつ、「やっぱりな!」とも思っています。この本に書かれていることが、この社会状況を生きていく上で必要とされているのだと思います。あなたにも読んで欲しいと薦めましたので、しばらく読めない人のために、今回のブログを書いています。

 

▼あなたは幼い頃を思い出すと、どんな場面をどんな思いで想起するでしょうか。きっといろいろな思いが込み上げてくることでしょう。以下に、私が以前に担任した小学1年生の生活場面を写したスナップ写真4枚を載せますので見て下さい。

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▼物語が出来上がっている四コマ漫画でさえ、その一コマだけを見ても何のことだか分からないのが普通です。まして、スナップ写真が羅列されて、一つ一つに意味付けをし、その意味をつないでいくことは難しいことでもありますが、現実を当事者として力強く生きるためには必要なことなのだと思います。スナップ写真は、私にとっては次のように並んでいます。(※写真①~④に対応しています。)

①まさと君という、車椅子で生活する子が、このクラスにはいます。手も不自由なので給食の用意は、友だちがみんなで協力します。

②休み時間は中庭に出て遊びます。友だちがチャボをまさと君のところに運んでくるので、まさと君はチャボとも遊ぶことができます。

③シャボン玉をつくって遊んだ時も、ジャングルジムよりも高く飛ばすことができました。

④春を探しに、みんなで野原に出かけました。みんなは、大喜びで走り回りました。先生は、まさと君がレンゲ草を摘めるように、まさと君を車椅子から降ろしました。でも、まさと君は淋しそうです。

 

▼このクラスの子どもたちは、まさと君に関わる自己物語を 、まさと君にとっても意味があると思われる行動によってつくり出していきます。そして、その意味の流れは、有意味だと感じる保護者からも支持され、学級の物語(社会)として共有されていくのです。榎本博明氏は、このことに関わることとして、次のように「社会人のための『本当の自分づくり』」のなかで記述しています。

「人生とは出来事の単なる羅列ではありません。人生というからには、過去から現在に至る、さらには未来へと続く有意味な流れがなくてはなりません。私たちの日々の行動は、採用している自己物語に基づく過去の解釈と未来の予測によって構造化されているのです。私たちは、先立つ出来事や後に続くと予想される出来事に照らして意味があると思われる行動をとっているのです。このように、私たちが現実生活を生きるということは、採用している自己物語の文脈に沿って現実を解釈しつつ行動をとることをさします。現実社会を力強く生きるということは、自分の生きる現実に意味を与えてくれるような自己物語を採用することだと言ってよいでしょう。」(p.80)

 

▼このクラスの子どもたちは、まさと君に対して実行に移せる行動を積み重ねながら、それを意識的に行い、習慣化していきました。まさに、「つくり、つくりかえ、つくる」の連続の日々だったと思います。1998年、長野でパラリンピックが開催された時、このクラスの子どもたちは、まさと君を中心に聖火リレーチームを結成し、長野の街を走りました。子どもたちは、その時には6年生になっていました。

私たちの人生には、すでに生きられた「自己物語」が組み込まれています。よいことばかりではありませんが、積極的に「自己物語」のかけらを組み合わせて、自分の未来を描く姿勢は大切にしなければなりません。好ましくないと思う「自己物語」も解釈を変えることで、あなたが生きている現実をかえ、未来を変える切っ掛けになるのです。

 

 

 

 

 

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