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平田オリザ先生による特別講座「いま、必要とされるコミュニケーションについて考える」のご紹介②

(前編はこちら)

カードを使ったゲームに続き、イメージの共有やズレをテーマとしたワークが続きます。学生は2人ペアになり、まずボールを使わないでキャッチボールをするふりをします。その後本物のボールを使ってキャッチボールをし、違いを感じます。

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平田先生は、学生に両者の違いを聞いた後、特に身体の使い方の違いについて説明されました。一般に、実際のボールを使うほうが、全身が適切に動くそうです。反対に架空のキャッチボールでは、特に下半身の動きがなく、それらしく見えないのです。俳優さんは、それらしく見えるよう自分の身体の動きを知ることが必要なのですね。

続いて架空の縄跳びです。

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一緒に演じる人数が多いのにもかかわらず、縄跳びのほうが演じやすいようでした。平田先生によれば、キャッチボールよりもイメージが共有しやすいからだ、ということです。縄跳びは動きがシンプルであること、女子は小さいころから親しんでいること、がその理由です。
見ているほうにとっても、キャッチボールよりも、それらしく見えましたし、躍動感が伝わってきます。縄跳びのほうが、参加している学生の感情が動くので、それが見ている側にも伝わるためのようです。

演劇では、この演じる側と観客の緊張関係を利用し、また、イメージの共有しやすいものから、イメージの共有しにくいものへと構成を工夫するのだそうです。そして、教育においてもこの原理が大切だと解説されました。


いよいよ、平田先生の用意されたテキストを使用する演劇的なワークです。学生に台詞を読む練習をしてもらい、そのあと平田先生による演技指導です。

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「間」を取る方法と、「間」の前後ではコンパクトにすることを指導されました。かなり本格的です。その指導後は、確かに、演技のメリハリがついたように思います。

テキストには、初対面の人に話しかける場面があるのですが、この演技が意外と難しいのです。そのような現実体験が乏しく、また状況や文化が違えば一つの言葉の受け止め方が違うからです。しかし、話しかけやすくなるような設定とセリフを加えると、これが簡単になるのです。そのバージョンで再度演技をしてみます。

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この体験によって学生は、「初対面の人に話しかける」という新たなイメージを獲得することができるのです。


前半のカードを使ったゲームでは、言葉を使う基準やイメージが個人によって異なることがテーマとなりました。これを「コンテクスト」(のズレ)と言います。お互いに、このズレをすり合わせることが、現代のコミュニケーションでは重要なのです。
学生はこのワークで、人に話しかけるというのは結構大変なことであることを実感しながら、新たなイメージを獲得し、結果としてコンテクストのすり合わせをする能力を養っているのです。

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最後に平田先生は、価値観が異なる人たちの中で合意形成していくこのこと厳しさ、「いい子」をしたたかに演じるきるくらいの教育が必要なこと、などについて説明されました。

体験学習、講義ともに、非常に濃い内容の特別講座でした。私自身も、もっと考え抜かなければならない点があると強く感じました。1年生の皆さんにとっては、今後の学生同士の交流、表現に関する専門的な学習、自分のコミュニケーション能力を鍛えること、などの広範囲な側面で、弾みとなる機会になったと思います。

幼児教育学科 教授 石津孝治


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