HOME » » 学科トピックス » 看護学科 » リレーメッセージin看護―108

リレーメッセージin看護―108

108gou-1.jpgこんにちは。

108回を担当します小児看護学・基礎看護学の堅田です。

春めいた季節になりました。

こちらの短大に来て早いものでもう1年になります。学生さんと真剣に向き合い授業や実習で泣いたり、笑ったり、怒ったりとあっという間の1年でした。学生の若い力に後押しされ、共に成長できた年でした。


3年生は3月19日に晴れて51名が本学を卒業し、様々な思いを抱きながら新たな道に進みます。教職員はその晴れやかな姿に喜びの涙を浮かべ、卒業生を送りだしました。

同時に在校生は進級し、悔いのない学生生活を過ごせるようさらなる努力を続けてくれることを期待しています。




今回は私ごとですが、興味関心が強い、小児におけるホスピスの現状についてご紹介します。小児ホスピスについて少しでも興味を持って頂ければ幸いです。


子ども向けのホスピスは、1982年に英国オックスフォードに設立された「ヘレン&ダグラスハウス」をきっかけに世界的に広がりました。


「ヘレンハウス」は、ヘレンちゃんという脳腫瘍の女の子と、その家族がきっかけで出来た施設です。6カ月入院した後、治療ができない状態になり自宅で過ごしていたヘレンちゃん。コミュニティーナースとして働いていたシスターフランシスが訪れ、ご両親の疲労困憊した状態を心配し、ヘレンちゃんを少しの間預かりました。そのことが、ご両親が心身を立て直すきっかけになったということで、ヘレンちゃんのご両親の意見を取り入れながら、同じような子どもと家族の為にヘレンハウスを創設しました。

ヘレンハウスは、医療者以外にも多様なスタッフ・ボランティアが一緒に働いています。子ども達が安心して楽しく過ごせるように、病院のようでなく、明るく温かく開放的な雰囲気です。また同時に、他界した子どもの家族、親御さんや兄弟のこころのケアなども行っています。


108gou-2.jpg
医療の進歩に伴い、過去には若くして亡くなった子どもが長生きするようになり、15歳までを対象としているヘレンハウスでは子ども達や家族のニーズにあわなくなってきました。

2004年、隣接地に16歳から35歳までの若年成人を対象とした「ダグラスハウス」が設立されました。

ダグラスハウスは、ヘレンハウスと同様に様々な職種のスタッフが入っていますが、施設内にはバーがあったり、ミュージックルームがあったり、温水のジャグジーあったりと、少し大人になった子どものニーズに合わせたものになっています。

現在ではその2施設を合わせて「ヘレン・ダグラス・ハウス」と呼ばれるようになりました。



成人向けのホスピスは、末期がん患者などの緩和ケアを主眼とした終末期医療のための施設です。一方子ども向けのホスピスは、限りある人生をよりよく生きるための施設であり、家族の看護負担を軽減しリフレッシュしてもらう「レスパイト(小休止)ケア」の機能を併せ持った施設です。イギリスでは、ヘレン・ダグラス・ハウス設立以降、地域住民の寄付によって現在52ヶ所の小児ホスピスが設立されています。



日本に初めて小児ホスピスができたのは2012年です。英国のヘレンハウスを真似て、大阪に「TSURUMI こどもホスピス」が設立されました。

「TSURUMI こどもホスピス」の施設の一部は、広く市民に開放されています。重い病気を持つ子どもと一般の子どもが隔たりなく共に遊び、難病児の家族と地域住民が日常的に触れ合う地域交流の拠点としての役割を果たすなど、地域全体で難病の子どもとその家族を支える基盤となることを目指した施設です。

108gou-3.jpg

今回リレーメッセージにて英国初、日本初の小児ホスピスを紹介しました。

高齢者における緩和ケアは法に基づき制度化されており、住み慣れた場所で最期を迎えたい高齢者には社会資源や施設も多くありますし、最後の時をどこでどのように過ごしたいかを選択することも可能になりました。

しかし日本においては、小児の緩和ケア・ホスピスではその必要性を感じながらも歩みはゆっくりであり、他国より立ち遅れている状況は否めません。先駆的に小児ホスピスが進められているイギリスやドイツなどの現状を知った上で、私たちに合った小児ホスピス設立が望まれます。

命が限られた子ども達にとって、そして家族にとって、その子が最後の時を過ごすのは家庭で、家族が一緒に過ごせることが望ましいことです。

小児ホスピスは家庭に代替する場所ではなく、レスパイト等の機会を提供することで家庭を補完する、支える役割を担っているのだと思っています。


今回のリレーメッセージを通して小児ホスピス・緩和ケアの状況を理解して頂き、そのような状況にある子どもやその家族に心を寄せる機会となればうれしいと思います。



福祉短大学長 北澤 晃のブログ

アーカイブ

オープンキャンパス
資料請求
共創福祉センター
介護福祉士実務者研修
福祉短大ボランティアページ
富山福祉短期大学図書館
ふくたん日和(教職員ブログ)
ふくたん学生レポート(学生ブログ)
学生マイページ
学校法人 浦山学園 学園本部
富山福祉短期大学訪問看護ステーション
富山情報ビジネス専門学校
金沢中央予備校

Copyright © 2004 Toyama College of Welfare Science. All Rights Reserved.